食道がんの原因

 食道がんの主の原因は、喫煙、アルコール度の高いお酒をよく飲む、熱いものを好んで食べるといった生活習慣が関係する場合が多い。
 ほかの危険因子としては、男性で高齢者というのも統計的に挙げられるが、バレット食道といって、食道下部の内側にある細胞が変化したり、食道がんを発生し得る異常細胞に置き換わったりしている状態も危険因子になる。胃の逆流(食道の下部に胃内容物が逆流する)は食道を刺激して、時間の経過とともにバレット食道を誘発する可能性がある。
【たばこ】タバコに含まれる有害物質により食道粘膜が刺激され、食道がんになる可能性が高まる。
【お酒】アルコールを過度にとると、食道粘膜を傷つけることにより食道がんになる可能性が高まる。
【熱い飲み物】熱い飲み物も、食道粘膜を傷つけるので食道がんになるリスクは高まる。
【バレット食道】バレット食道とは、胃液の逆流によって食道の粘膜が障害をうけ、再生と障害が長い間繰り返されていくうちに、食道の粘膜が胃の粘膜ににた構造のものになってしまうことがある。これをバレット食道という。このバレット食道は、食道がんになる可能性が高い状態である。

食道がんの症状

 食道がんによる年間の死者は約1万1000人。たばこや飲酒の影響が大きく、男性が女性の5〜6倍多い。のどのつかえといった症状が出た時にはすでに進行していることも多く、治療の難しいがんのひとつである。
 食道は食べ物の通り道であるため、食道がんの症状は、食物が通過したときに出る症状がほとんどであり、初期は無症状であるが、がんが進行するにつれ症状が出現する。飲み込むときにしみたり、チクチクする感じや、つかえた感じがするなどの自覚症状が出始める。注意したいのはつかえ感で、水分は通るが固形物が通過しにくくなる。進行が進むにつれ食道の内径が狭くなると、よくかんで飲み込んでもつかえ感があり、嘔吐もみられるようになる。ただし、つかえ感はすべて食道がんとは限らず、食道のほかの病気の可能性もあるので注意が必要である。さらにがんが食道の周りの肺、気管、胸椎(きょうつい)に浸潤(しんじゅん)するようになると胸痛や声がれ、せき、血痰、息苦しさがでるようになる。

食道がんの治療 

 早期治療がとても重要である。一般的には、手術で食道を切除するが、早期の食道がんの場合は内視鏡を使って切除することができる。また、胸腔鏡で開胸を行わない食道の切除術もある。食道がんでは広範囲にリンパ節に転移するので、転移する可能性のあるリンパ節の切除を実施することもある。食道がんが進行して切除が困難である場合は、放射線治療や抗がん剤による薬物療法が採用される。
 食道がんの治療は主に、手術療法、放射線療法、抗がん薬による化学療法で、補助療法として免疫療法、温熱療法などがある。
 早期がんは転移を起こすことがきわめてまれで、がんの部分を含めて食道の粘膜をはぎ取る内視鏡的粘膜切除を行う。
 粘膜下組織にがんが浸潤すると、40〜50%の率でリンパ節に転移するため、手術的に食道をリンパ節とともに切除し、胃や大腸または小腸を用いて再建する。進行がんになると手術だけでは治りにくいので、手術前後に化学療法や放射線療法をしばしば併用する。
 手術療法後の5年生存率は以前の倍になり、約50%と著しく改善された。

Copyright © 2008 食道がんの原因・症状とその治療法